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Andreotti

ジュリオ・アンドレオッティ(Giulio Andreotti, 1919年1月14日 - )は、イタリアの政治家、上院議員(終身議員)。首相(第59・62・71代)、外相、国防相、内相を歴任。

略歴[]

政界へ[]

ラツィオ州ローマで生まれ、ローマ大学で法律を学んだ。卒業後の第二次世界大戦後にキリスト教民主主義に入党し、1946年に下院議員に当選した。

マフィアとの関係[]

首相就任前のみならず首相在任当時も、国内外においてアンドレオッティとマフィアをはじめとする犯罪組織との親密な関係が半ば「公然たる事実」として扱われていた。マフィアの構成員はアンドレオッティのことを親しげに「ジュリオおじさん」というニックネームで呼んでいたといわれる。実際に、シチリアマフィア(コーザ・ノストラ)のドンのサルヴァトーレ・リイナと抱擁しキス(頬へのキスは同志に行う所作)をしている所を目撃されている。

首相在任当時から、イタリアの現代史に残る数々のマフィアがらみの犯罪や暗殺事件への関与が疑われ、殺人罪で有罪判決を受けたこともあるものの、不可解な理由でその判決が覆されたこともあり実刑判決を受けることはなかった(詳細は後述)。

ロッジP2[]

バチカン銀行を通じたマフィアのマネーロンダリングに関わり、保守派のイタリア政財界人を中心とした秘密結社である「ロッジP2」の構成員でもあるミケーレ・シンドーナとの関係が深いと言われており、実際に1973年にはシンドーナを「リラの守護神」として表彰している。

さらに、バチカン銀行の主な取引行であるものの、マフィアのマネーロンダリングにかかわった挙句、10億から15億USドルに上るといわれる使途不明金を抱え1982年に破綻したアンブロシアーノ銀行頭取のロベルト・カルヴィ、そしてシンドーナやカルヴィが加盟していた「ロッジP2」の代表で、同じくマフィアや極右政党、アルゼンチンのファン・ペロン大統領などの南アメリカの軍事独裁政権との関係が深く、1980年のボローニャ駅爆破テロ事件や、カルヴィ暗殺事件の主犯格であるリーチオ・ジェッリとの関係も深かった。

このことから、ボローニャ駅爆破テロなどで指名手配されたジェッリの逃亡幇助や、アンブロシアーノ銀行の破綻、更にカルヴィの暗殺事件にも大きくかかわっていたと言われている上、そしてバチカン銀行総裁のポール・マルチンクス大司教やジェッリ、カルヴィが関与していたと噂されるヨハネ・パウロ1世教皇の「暗殺」にも関与していたとも言われている。なお、アンドレオッティ自身は、「ロッジP2」の会員ではなかった。

現在[]

上記の裁判における無罪を勝ち取ったアンドレオッティは、その強大な影響力こそ失ったものの、その後も終身国会議員として活動を続けた。2009年には90歳となり、前年の2008年11月2日には、テレビの生放送のインタビューを受けている最中に突然硬直状態に陥るなど、健康不安がささやかれるようにもなったが、近年も「コリエーレ・デラ・セラ」紙への定期連載を続けているほか、テレビや雑誌などのインタビューに答えるなど活動を続けている。

エピソード[]

  • 1989年に公開されたイタリア系マフィアとイタリア政界、さらにバチカンとの癒着(とカルヴィ暗殺事件及びヨハネ・パウロ1世の「暗殺」)を扱ったアメリカ映画『ゴッドファーザー PART III』では、マフィアとバチカンと親密な関係がある政治家「ドン・ルケージ」の原型となった。
  • 毎日教会でのミサを欠かさず、修道士へ多額の寄付をしていた。4人の歴代ローマ教皇と親密な友人でもあった。
  • モーロ元首相は、「赤い旅団」に監禁されていた時に書いた手紙で「アンドレオッティは悪事を行うために生まれてきた男」と指摘した。
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